「投資を始めたいけど、まだ口座開設していない…」と投資を始めあぐねている人が多いのではないでしょうか?
これから投資を始める人は、「店舗証券」ではなく「ネット証券」を選ぶべきです。日本におけるネット証券の大手5社は次の通り。
ですが、各社の違いってよくわからないですよね。横文字ばかりで、細かい条件が何を意味しているのかが、イマイチわからない。
そんな証券口座の開設に踏み切れていない人のために、ネット証券の選び方のポイントを、なるべく難しい言葉は使わず、わかりやすくお伝えしたいと思います。
ちなみにこのサイトはFIREを目指す人を応援しています。そんなわけで、FIREに向けて投資したい人に向けた、ネット証券の選び方も解説しています。
この記事を読めば、あなたは今すぐ証券口座の開設に踏み切れるでしょう。投資のコツはなるべく早く始めること。ぜひこの記事を読んで、まずは口座解説から始めていきましょう!
証券会社は「ネット証券」を選ぼう!
まず証券会社には、
- 店舗証券
- ネット証券
の2種類があります。
「店舗証券」とは、伝統的な証券会社である、野村証券や大和証券などのことです。あなたの家の近くにも店舗があると思います。
これから投資を始める人は、「ネット証券」一択です。その理由をまず解説します。
理由は手数料が安いから
「ネット証券」と、「店舗型証券」では、手数料が全く異なります。
従来の店舗証券では、1回の売買で1%程度の手数料が抜かれてしまいます。買うときだけでなく、売るときもです。株式投資の平均リターンは4〜7%程度なので、1%も抜かれてしまっては、たまったものではありません。
一方でネット証券は、国内株であれば売買手数料は無料のところがほとんど。外国株の手数料は無料ではありませんが、やはり店舗証券に比べればはるかに安い手数料です。
違いの理由はとても単純。店舗証券の高い場所代や人件費が、手数料に乗っているからです。証券会社は良い立地に店舗を構え、社員の給料も高い傾向にあります。
ちなみにこの考え方は、証券会社だけに限りません。銀行であれ、保険であれ、携帯電話のSIMであれ、場所代と人件費がかからないネット専業の方が、安くつくのは自明の理です。
店舗に行く理由はもはやない
店舗で金融商品を買う主な理由は、担当者からアドバイスをもらえることです。自分で銘柄選びをするのが難しい人が、専門家の意見を聞きたくなってしまう気持ちはわかります。
しかしながら、「インデックス投資」が発明された現代においては、プロに相談するメリットすらなくなってしまいました。
インデックス投資とは、「トヨタ」や「任天堂」といった個別銘柄を選ぶのではなく、
- アメリカの大手500社が名を連ねる「S&P500」
- 3,000以上の新興企業が含まれる「NASDAQ」
- 日本の東証一部上場企業が全て含まれる「TOPIX」
などの株価指数に丸ごと投資できる金融商品です。
1つの商品を買うだけで数百、数千銘柄に分散投資できるので、あなたがもっとも恐れている「投資先が倒産して、株が紙切れになるリスク」は、ほとんどありません。
インデックス投資に破壊された店舗証券
しかもこのインデックス投資は、プロの成績をも上回ると明らかになっています。
チャールズ・エリスの『敗者のゲーム』やバートン・マルキールの『ウォール街のランダムウォーク』が指摘しているように、アクティブ運用の4分の3はインデックス運用に負けてしまいます。
アクティブ運用とは、金融のプロが綿密な調査をして銘柄を選定し、市場平均を上回る結果を出そうとするファンドのこと。ですが、実際には市場の平均リターンであるインデックスに勝てないのです。
もちろん優秀な担当者がついて、インデックス投資を上回るパフォーマンスを出せる場合もあります。ただしその可能性は25%。あなたが何も考えずにインデックス投資をした方が、75%の確率で高いパフォーマンスを収めることができるのです。
あなたが店舗証券に行くのに、世間話を楽しむ以外の理由は、もはやないのです。
大手ネット証券5社を徹底比較
まずは大手ネット証券5社の基本スペックを見ていきましょう。合わせて、各社の強みをお伝えしていきます。
SBI証券
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*ネクシィーズトレード社は、SBI証券の口座開設仲介を行っています
インターネット金融コングロマリットの「SBIグループ」。その中核を成すのが「SBI証券」です。日本トップクラスの顧客基盤を持つ、ネット証券業界のリーダー的存在。
各社に先駆けて国内株の「取引手数料無料」に踏み切るなど、先進的な取り組みにも定評があります。
国内株関連 | |
国内株取引手数料(税込) | 【スタンダードプラン(1注文制)】 ~5万円:55円 ~10万円:99円 ~20万円:115円 ~50万円:275円 ~100万円:535円 ~150万円:640円 ~3,000万円:1,013円 3,000万円~:1,070円 |
【アクティブプラン(1日定額制)】 ~100万円:0円 ~200万円:1,278円 以降100万円ごとに:440円 |
|
IPO実績 | 2020年:85社 2019年:82社 2018年:86社 |
外国株関連 | |
取扱い外国株 | 米国、中国、韓国、ロシア、ベトナム、 インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア |
米国株銘柄数 | 4,008銘柄 |
米国株取引手数料 | 約定金額×0.45% |
∟最低手数料 | 0米ドル |
∟上限手数料 | 20米ドル |
為替手数料 | 1ドル=片道4銭(住信SBIネット銀行との連携時) |
自動積立 | ◯ |
投資信託 | |
投資信託本数 | 2,639本 |
最低積立額 | 100円 |
ポイント(保有) | 保有金額よりTポイント付与 【通常銘柄】 1,000万円未満:年0.1% 1,000万円以上:年0.2% 【指定銘柄】 ファンド毎に変わる |
非課税口座 | |
NISA | ◯ |
∟つみたてNISA | ◯(174銘柄) |
iDeCo | ◯(83銘柄) |
その他 | |
銀行口座連携 | あり(住信SBIネット銀行) |
SBI証券の強み①:全ての項目において業界トップ水準
SBI証券はネット証券業界の雄だけあって、どの項目においても他社に引けを取りません。手数料も最低水準、取扱銘柄数は業界トップクラス、全てにおいて抜かりありません。
国内株でも、米国株でも、投資信託でも、NISAでも、何を始めるにしてもSBI証券で損する可能性はほぼないでしょう。
SBI証券の強み②:為替手数料が安い
SBI証券は、同じSBIグループ内の「住信SBIネット銀行」と連携させることにより、他社より安い手数料で為替取引ができます。
他社は「1ドル=片道25銭」のところ、約8割も安い「1ドル=片道4銭」で取引できます。
為替と言うとFXのイメージが強いですが、外国株を購入するときは、現地通貨で買い付けるので、為替取引はどこかで必ず発生します。
SBI証券の強み③:住信SBIネット銀行と口座連携できる
同グループ内の「住信SBIネット銀行」との口座連携機能が使えます。
口座を連携すると、
- 銀行口座のお金から証券を購入したり
- 証券口座に入った配当金や売却金を、自動で銀行口座に移したり
と、非常に使い勝手が良くなります。
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楽天証券
楽天証券は、総合インターネットサービス「楽天グループ」のネット証券会社です。
楽天グループお得意の「楽天ポイント」の貯まりやすさから、SBI証券と双璧を成すトップクラスの人気ネット証券となりました。
国内株関連 | |
国内株取引手数料(税込) | 【超割コース(1注文制)】 ~5万円:55円 ~10万円:99円 ~20万円:115円 ~50万円:275円 ~100万円:535円 ~150万円:640円 ~3,000万円:1,013円 3,000万円~:1,070円 |
【いちにち定額コース(1日定額制)】 ~100万円:0円 ~200万円:2,200円 ~300万円:3,300円 以降100万円ごとに:1,100円 |
|
IPO実績 | 2020年:38社 2019年:26社 2018年:10社 |
外国株関連 | |
取扱い外国株 | 米国、中国、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア |
米国株銘柄数 | 3,683銘柄 |
米国株取引手数料 | 約定金額×0.45% |
∟最低手数料 | 0米ドル |
∟上限手数料 | 20米ドル |
為替手数料 | 1ドル=片道25銭 |
自動積立 | ◯ |
投資信託 | |
投資信託本数 | 2,680本 |
最低積立額 | 100円 |
ポイント(購入) | 【楽天ポイント】 100円購入毎に1ポイント付与(楽天カードによる購入。上限は月5万円まで) |
ポイント(保有) | 【楽天ポイント】 保有金額10万円毎に4ポイント付与 |
投資信託のポイント購入 | 楽天ポイントで購入可能 |
非課税口座 | |
NISA | ◯ |
∟つみたてNISA | ◯(172銘柄) |
iDeCo | ◯(32銘柄) |
その他 | |
銀行口座連携 | あり(楽天銀行) |
楽天証券の強み①:楽天ポイントとの親和性
楽天証券の魅力は、なんといっても「楽天ポイント」が貯まること。ポイント関連の主な特典は次の通り。
- 各種取引手数料の1%をポイント付与
- 投資信託の楽天カード購入で1%ポイント付与(月5万円まで)
- 投資信託の保有額10万円毎に、毎月4ポイント付与
- 投資信託を500円ポイント購入で、楽天市場のポイントが+1%に
特に投資信託のポイントはかなりお得です。月5万円まで楽天カードで購入できるので、楽天カード側で500ポイント貯まります。投資の期待リターンは数%が相場なので、ここで1%返ってくるのはかなり美味しい。
また楽天ポイントを投資信託の購入に充てることもでき、月500ポイント購入すると、楽天市場の買い物の際に、ポイント還元が+1%になります。楽天をよく使う人には大きなメリットです。
楽天証券の強み②:楽天銀行との口座連携ができる
楽天もSBI同様にグループ内に、ネット銀行を持っています。「楽天銀行」と口座連携させることで、口座間のお金の移動をシームレスに行うことができます。
マネックス証券
マネックス証券は古参のネット証券で、オリックス証券やソニー証券と合併して今の形になっています。昔から外国株の取り扱いの豊富さに定評があり、通な投資家にも人気があります。
余談ですが暗号資産(仮想通貨)のコインチェックは、マネックスグループ傘下となっています。
国内株関連 | |
国内株取引手数料(税込) | 【取引毎手数料コース(1約定制)】 ~10万円:110円 ~20万円:198円 ~30万円:275円 ~40万円:385円 ~50万円:495円 ~100万円:成行注文/1,100円 指値注文/1,650円 100万円~:成行注文/約定金額の0.11% 指値注文/約定金額の0.165% ※マネックストレーダー株式 スマートフォンの場合、50万円~:約定金額の0.11% |
【一日定額手数料コース】 ~100万円:550円 100万~:300万円ごとに2,750円 月間利用ボックス(約定金額300万円ごとの売買)数:21回目からは2,475円 121回目からは1,815円 |
|
IPO実績 | 2020年:50社 2019年:45社 2018年:50社 |
外国株関連 | |
取扱い外国株 | 米国、中国 |
米国株銘柄数 | 3,794銘柄 |
米国株取引手数料 | 約定金額×0.45% |
∟最低手数料 | 0米ドル |
∟上限手数料 | 20米ドル |
為替手数料 | 【買付時】 為替手数料無料 【売却時】 1ドル=25銭 |
自動積立 | ◯ |
∟配当金の自動再投資 | ◯ |
投資信託 | |
投資信託本数 | 1,215本 |
最低積立額 | 100円 |
ポイント(保有) | 【マネックスポイント】 保有金額×最大0.08%(年率)をポイント付与 |
投資信託のポイント購入 | マネックスポイントで購入可能 |
非課税口座 | |
NISA | ◯ |
∟つみたてNISA | ◯(151銘柄) |
iDeCo | ◯(27銘柄) |
その他 | |
マネックスポイントの用途 | 株式の購入 暗号資産(仮想通貨)の購入 dポイント、Tポイント、Ponta、nanaco、ANAマイレージ、JALマイレージ等と交換可能 |
マネックス証券の強み①:IPOの完全平等抽選
IPO(Initial Public Offering)とは、非上場の企業を、誰もが市場で株の取引ができるように上場することです。
通常のIPO株は、各証券会社の上客である機関投資家に回したり、購入金額が大きい人が優先されたりと、小口投資家には不利なケースが多いのが現状です。
そんな中でマネックス証券は、IPO株の購入を完全に平等抽選としています。そのため、IPO狙いのために、サブで口座開設している人が多くいます。
マネックス証券の強み②:米ドルの為替手数料が無料
昔から米国株に強いマネックス証券特有の強みが、「米ドル為替の手数料無料」です。普通は1ドルあたり25銭かかるケースが多いところ、なんと無料(ただし米国株の買付時のみ)!
いま人気の米国ETFを購入する際、為替手数料を気にしなくて良いのは、大きなメリットです。
松井証券
松井証券は、100年以上の歴史を持つ中堅証券会社でした。1998年にいち早くネット証券に参入した老舗中の老舗。現在は店舗は廃止し、ネット専業の証券会社となっています。
余談ですが、個人的には、ネット証券へドラスティックに転換した経営判断には感服です。おそらく尋常ではない関係者の反対の中で、ネット専業に舵を切ったものと思います。こういう姿勢には好感が持てます。
国内株関連 | |
国内株取引手数料(税込) | 【ボックスレート(1日定額制)】 ~50万円:0円 ~100万円:1,100円 ~200万円:2,200円 ~1億円:100万円単位で1,100円加算 1億円~:110,000円(上限) |
IPO実績 | 2020年:18社 2019年:21社 2018年:9社 |
外国株関連 | |
取扱い外国株 | 取り扱いなし |
投資信託 | |
投資信託本数 | 1,475本 |
最低積立額 | 100円 |
投資信託のポイント購入 | 松井証券ポイントで購入可能 |
非課税口座 | |
NISA | ◯ |
∟つみたてNISA | ◯(170銘柄) |
iDeCo | ◯(40銘柄) |
その他 | |
投資信託の信託報酬還元サービス | 「信託報酬」が0.3%(税別)を超えた分を現金で還元 |
松井証券の強み:投資信託の「信託報酬」還元サービス
松井証券は、投資信託の「信託報酬」が0.3%(税別)を超えた分を、現金で還元するサービスを行っています。つまり、信託報酬の上限が0.3%になるということです。
「信託報酬」とは、投資信託の購入先のファンドに支払う手数料のこと。投資している金額に対し、年率0.1〜3%程度かかります。
(例:1,000万円投資していれば、年間1万円〜30万円の手数料がかかる)
なぜこんなサービスができるのか、ちょっと意味不明。かなり攻めています。ただし優良な投資信託は、信託報酬0.1%台で購入できるので、必ずしもその恩恵に預かれるわけではありません。
auカブコム証券
auカブコム証券は、三菱UFJグループとKDDIが親会社の資本系ネット証券。KDDIが資本を入れる前の社名は「カブドットコム証券」です。
国内株関連 | |
国内株取引手数料(税込) | 【1約定制】 ~10万円:99円 ~20万円:198円 ~50万円:275円 ~400万円:約定金額×0.09%+90円 ×1.10 400万円~:4,059円(上限) |
IPO実績 | 2020年:19社 2019年:24社 |
外国株関連 | |
取扱い外国株 | 取り扱いなし |
投資信託 | |
投資信託本数 | 1,392本 |
最低積立額 | 100円 |
ポイント(保有) | 【Pontaポイント】 保有金額により、 2.4万円~100万円未満:年率0.05% 100万円以上~3,000万円未満:年率0.12% 3,000万円以上:年率0.24% |
投資信託のポイント購入 | Pontaポイントで購入可能 |
非課税口座 | |
NISA | ◯ |
∟つみたてNISA | ◯(157銘柄) |
iDeCo | ◯(27銘柄) |
その他 | |
単元未満株式の購入 | 「プチ株」で個別銘柄を1株単位で売買できる |
auカブコム証券の強み:プチ株で少額から投資できる
通常、株式の個別銘柄は100株を1単元として売買します。そのため、ある程度まとまった資金がないと株の購入ができません。
そこで使えるのが、auカブコム証券の単元未満株式「プチ株」というサービス。「プチ株」を使えば、1株単位で売買できるので、数千円程度の低予算でも株式投資が可能です。
ネット証券の選び方 5パターンを解説
各社のスペックを確認したところで、
- 国内株をメインで取引する
- 米国株をメインで取引する
- 投資信託メインで取引する
- IPOを狙う
- NISAやiDeCoで使う
の5つのシーン別に、ネット証券会社の選び方を解説していきます。
シーン①:国内株をメインで取引する
国内株を取引するのに気にするのは、「取引手数料」です。すなわち、株式を買ったり、売ったりするときに取られる手数料です。
一応ですが、証券会社が取っていくのは「取引手数料」だけです。投資から得た利益は、全て投資家に渡ります(税金は取られますが)。
手数料が無料になるのは、次の3社です。
国内株式の取引手数料が無料のネット証券
- SBI証券:1日100万円まで無料
- 楽天証券:1日100万円まで無料
- 松井証券:1日50万円まで無料
さらに各々の無料枠を超えた場合の手数料は、「SBI証券」が最も安いです。というわけで、国内株メインなら「SBI証券」がオススメです。
シーン②:米国株をメインで取引する
ここ最近人気があるのが米国株。特に数十〜数千の株をパッケージ化した「米国ETF」が人気です。
まず大手5社で米国株を扱っているのは、「SBI証券」「楽天証券」「マネックス証券」のみ。「松井証券」「auカブコム証券」は、外国株の取り扱いがありません。
「SBI証券」「楽天証券」「マネックス証券」の取り扱い銘柄数は拮抗しており、ここでは差はありません。取引手数料も3社で横並びとなっています。
為替手数料で選ぶ
米国株を購入する場合は、米ドルでの購入となります。どこかのタイミングで円をドルに替えておく必要があります。
各社の「円ー米ドル」の為替手数料は、次の通りです。
円ー米ドルの為替手数料
- SBI証券:1ドル=片道4銭*
- 楽天証券:1ドル=片道25銭
- マネックス証券:買付時は無料
*住信SBIネット銀行と連携させた場合
仮に1万ドル(約110万円)分の為替手数料は、次の通りです。
1万ドル(約110万円)で買付時の為替手数料
- SBI証券:400円
- 楽天証券:2,500円
- マネックス証券:0円
というわけで、「マネックス証券」が有利。ただし売却時は「1ドル=25銭」の為替手数料がかかります。
次いで「SBI証券」です。売却時も同様に「1ドル=片道4銭」なので、トータルではSBI証券の方が為替手数料は安く収まります、
シーン③:投資信託メインで取引する
投資信託の購入は、各社とも手数料無料です。取り扱い銘柄数は多少の差はあれど、ほとんどドングリの背比べ。ここでは差はつきません。
「信託報酬」の安さで特に人気がある「eMAXIS Slimシリーズ」のインデックス投資信託は、各社とも取り扱っています。この辺りを購入する人は、どこで購入しても変わりません。
楽天ポイントを使う人なら「楽天証券」、Pontaを使う人な「auカブコム証券」、といった具合にお気に入りのポイントで選ぶのが良いと思います。
ただし、信託報酬が「0.3%」を超えるアクティブファンドを購入したい人は、「松井証券」が良いでしょう。0.3%を超えた分の信託報酬が還元されるためです。
投資信託の銘柄選びは、「投資信託の選び方のポイント&オススメ銘柄10選【積立NISA・iDeCoにも!】」で詳しく解説しています。
シーン④:IPOを狙う
IPO(Initial Public Offering)は、日本語では「新規公開株」や「新規上場株式」と呼ばれています。非上場の企業を、誰もが市場で株の取引ができるように上場することです。
IPO株は上場前に購入し、上場後の初値で売却するだけで、利益が出るケースが多くあります。そんなわけで、IPO株はみんなが欲しがるので、購入権利を抽選しています。
IPOは複数の証券会社が関わることが多く、メインになる証券会社を「主幹事」、その他を「幹事」と呼びます。
各証券会社は自分の顧客にIPO株を売るわけですが、より多く働く「主幹事」が、より多くの取り分を持っていきます。
IPOなら「SBI証券」と「マネックス証券」
IPOを狙うなら、各証券会社で口座を作っておくのが良いですが、特に「SBI証券」と「マネックス証券」がオススメです。
主幹事は、野村証券などの伝統的な証券会社になるケースが多いのですが、「SBI証券」はネット証券でも主幹事を務めるほどIPOに強いです。単純にIPOに関わる数も、ネット証券では随一。
「マネックス証券」は、完全平等抽選が魅力です。IPO株は、上客や大口客に優先的に配られるケースが多いのですが、マネックス証券の場合は、小口の個人投資家も平等に扱ってくれます。
シーン⑤:NISAやiDeCoで使う
「NISA」と「iDeCo」は、いずれも投資の利益が非課税になる制度です。
NISAの場合
まずNISAの方ですが、NISAも「株式」と「投資信託」に投資できます。もし米国株に投資する場合は、「SBI証券」「楽天証券」「マネックス証券」しか選択肢はありません。
ただ実際には、「つみたてNISA」で、投資信託を定期購入する人が多いのではないかと思っています。その場合は、どこで購入しても条件はほとんど変わりません。
ファンドに払う手数料「信託報酬」が低くて人気がある「eMAXIS Slimシリーズ」は、各社とも取り扱っています。銘柄数の多少の違いは、あまり気にする必要ないでしょう。
NISAの詳細は、「【とりあえずやっとけ】NISAとは?初心者にオススメの「つみたてNISA」と銘柄選びのポイントとは」で解説しています。
iDeCoの場合
iDeCoの場合も、条件は各社であまり差がないので、どこで購入しても良いと思います。
ただ、人気の「eMAXIS Slimシリーズ」をきっちり取り揃えているのでは、「SBI証券」「マネックス証券」「松井証券」のみでした。いずれ他の会社も取り扱うとは思いますが。
iDeCoの詳細は、「【1830万円の退職金が作れる】iDeCo(イデコ)をやるべき人・やるべきでない人【あなたはどっち?】」で解説しています。
FIREを目指す人が証券口座を選ぶなら
さて本サイトはFIRE達成を応援するサイトなので、「FIREするならどのネット証券がオススメか?」という観点にも触れておきたいと思います。
もちろん投資の仕方に絶対の正解はないので、どの証券口座を選んでも間違いということはありません。
ただ、一般的なFIREのお供に選ばれるのは、
- インデックス投資信託(主にeMAXIS Slimシリーズ)
- 米国インデックスETF
- 米国高配当ETF
です。この観点で、どのネット証券を選ぶべきかを考えてみましょう。
インデックス投資信託ならどこでもOK
まずインデックス投資信託を選ぶ場合は、各社とも条件はほとんど横並びです。どの証券会社でも問題ありません。
それぞれ貯まるポイントが違うので、自分がよく使うポイントで選んで良いと思います。おそらく楽天ポイントを使っている人が多いと思うので、楽天証券が一歩リードかなと思います。
米国ETFなら「SBI証券」が有利か
多くの人は投資信託だけでなく、米国ETFにも手を出すことになると思います。ETFとは、投資信託が株のような形で売買される金融商品です。
そうなったときに、外国株の取扱いがない「松井証券」「auカブコム証券」は、選択肢から外れるでしょう。
残りの最大手3社、「SBI証券」「楽天証券」「マネックス証券」に関しては、どこを選んでも良いと思います。どこかの会社が新しいサービスを打ち出すと、他も追随するので、結局横並びになることが多いです。
手数料は基本横並びです。また機能面でも、米国株の自動積立設定は、もともとSBI証券だけだったのですが、楽天証券、マネックス証券も追随しています。
こと為替手数料に関して言えば、
- 米国株買付の為替手数料が無料の「マネックス証券」
- 1ドル=4銭など、為替手数料が全体的に安い「SBI証券」
が有利かと思います。
個人的には銀行口座との連携も捨てがたいです。配当金が勝手に銀行口座に入ってきたりと、何かと便利。銀行連携できるのは、「SBI証券」と「楽天証券」のみ。
総合点で考えると、どの点においても業界トップクラスのサービスを提供している「SBI証券」が、一歩リードしている印象です。
FIREに国内株はダメなのか?
という疑問を感じた人もいると思います。
もちろん国内株がダメと言うことはありません。ただ次の2つの理由より、米国株の方がリターンを出しやすいと思います。
- 大局的に見て、日本より米国の方が高い経済成長が期待できる
- 日本には良いETFがない(優れたETFは米国ファンドの商品ばかり)
そういう意味では、国内株を買う機会は多くないので、国内取引手数料の有無は、FIRE的にはあまり重要視する点ではないでしょう。
証券口座は複数持っても良い
証券口座は何個でも持っていてもOK(NISA・iDeCoは1口座だけですが)です。各社の特色をうまく活用するのが賢い選択でしょう。
とはいえ、口座がたくさんあると管理が面倒。アクティブに使う口座はせいぜい2個か3個だと思います。引っ越して住所が変わったりすると何かと面倒なので。
メイン/サブ | 証券会社 | 用途 |
メイン | SBI証券 | 米国ETF |
サブ | 楽天証券 | インデックス投資信託、NISA(こちらも中身はインデックス投資信託) |
米国ETFは為替手数料の安い「SBI証券」で。投資信託は、愛用している楽天ポイントが貯まる「楽天証券」で。どちらも銀行口座と連携させています。
他にも、
使い分け例①
- メイン:オールラウンダーの「楽天証券」
- サブ:少額で国内株が買える「auカブコム証券」
使い分け例②
- メイン:オールラウンダーの「SBI証券」
- サブ:IPO狙いで「マネックス証券」
などの組み合わせも良いでしょう。メインは全体的にどこをとっても高品質な「SBI証券」を選ぶ人が多いかなと思います。
まだ証券口座を持っていない人は、いきなり2つ口座開設する必要はありません。まずは1つ作ってみて、慣れてきたらもう1つ開設してみるか検討してみてください。
複数口座を持つことの是非は、「複数の特定口座を持つメリット・デメリットを解説【オススメの使い分けも紹介します】」をチェックしてみてください。
個人的には複数口座を使い分けた方が、色々メリットが大きいと思っています。
【初めて口座開設する人へ】口座の種別を選ぼう
初めて証券口座を開設する人向けに、押さえておくべき内容をお伝えしたいと思います。
個人で証券口座を開設するときは、都合、
- 一般口座
- 特定口座(源泉徴収あり)
- 特定口座(源泉徴収なし)
- NISA口座
- iDeCo口座
の5種類があります。
口座開設するときは、必ずこの中のどれかを選択します。各口座の違いは、大雑把に言えば税金の扱いの違いです。
NISAとiDeCoは目的がはっきりしているので迷わないと思いますが、普通に投資をしたい人が初めて口座開設するときは、どれにすれば良いの迷いがちです。
特定口座とは、投資の税金計算を証券会社がやってくれる口座のこと。ほとんどの人は特定口座を選べばOK。ちなみにNISA口座を作るときは、一緒に特定口座も作ることになります。
特別な事情がなければ、「特定口座(源泉徴収あり)」を選びましょう。税金計算だけでなく、納税まで証券会社がやってくれるので、確定申告の必要がなくなります。
投資の税金については、「【知っておきたい投資の税金】特定口座とは?源泉徴収「あり」「なし」の違いと確定申告について」で詳しく解説しています。
投資をする上では必ず知っておきたい内容なので、ぜひ一度目を通してみてください。
証券口座がない人は、早急に開設を!
証券口座がない人は、直ちに作るべきです。
なぜなら投資を成功させるコツは、複利を利かせて長く運用することだからです。長く運用するためには、今すぐ始めるべきなのです。
あなたの手元で眠っている現金は、毎年数%の機会損失を出しているかも?
の質問の答えはいつだって、
なのです。
わたしと同じ後悔をして欲しくない!
というのも、わたし自身が投資を始めるのに出遅れ、数百万円レベルの機会損失を出しているのです。GAFA株が爆上げしていた2010年代に、2,500万円もの現金を眠らせていました。ひょっとしたら1,000万円以上の機会損失だったかも。
しかも投資に興味がなかったわけではありません。そのうちやろうかなと思いながら、忙しさのあまり放置していただけなのです。せめて口座だけでも開設していれば、もっと早く投資を始めていたと思います。
そんなわけで過去の自分と同じように、投資を始めあぐねている人を見ると、いてもたってもいられなくなってしまうのです。
証券口座はインターネットだけで開設できるとはいえ、数日かかる場合もあります。思い立ったらすぐに投資を始められるように、早めに開設しておくに越したことはありません。
開設にお金はかかりませんし、口座維持にもお金はかかりません。投資においても「時は金なり!」ということで、まずは少額でもコツコツ投資を始めていきましょう!
FIREのための投資に必要な考え方は、「【FIREへの投資戦略】相場を読めない僕らが0から始める投資術」で全て解説しています。
投資をこれから始める人は、ぜひ合わせてチェックしてみてください。かなり理解が深まると思います。