いち早くFIREして、サラリーマンから開放されたいですよね？（当たり前のことを聞いてしまいましたね）
そうすると、なるべく早くFIREを達成するために、自分はいくら資産をためればフィニッシュできるのか気になるところだと思います。早く楽になりたいので、少ない資産で済む方が良いですね。
この記事では、資産額【1,000万円・2,000万円・3,000万円・5,000万円・7,500万円・1億円】で、ぞれぞれFIREできる人の特徴を解説しています。
養う家族の有無や、生活費をどこまで削れるかによって、あなたがFIREできる資産額は変わってきます。ちなみに一生独身で過ごす人でも、最低3,000万円は必要かなと思います。
あなたのライフスタイルを想像しながら、自分がどの層に当てはまるか考えてみてください。そして自分の目標数字を定めて、FIRE達成まで邁進していただければと思います。
記事の後半で、FIREよりもっと早くリタイアを実現する方法も解説しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください！
「FIRE」とは？
FIREとは「Financial Independence（経済的自立）, Retire Early（早期退職）」の頭文字をとった造語です。日本人に馴染みのある言葉を使うなら、「アーリーリタイア」「早期リタイア」がこれにあたります。
生活費25年分の資産を築いて、早期リタイアするのがFIRE。FIRE達成後は資産収入のみで生活し、理論上は元本を減らさずに一生を終えることができます。FIRE達成後は労働で収入を得る必要はありません。
FIREの定義や、各FIREの種類については「【FIREとは？】4%ルールで実現する戦略的アーリーリタイア【FIREの種類も解説するよ】」で解説しています。
まずは日本の平均支出額をチェック
2020年の「家計調査」によれば、単身者と2人以上世帯の、1ヶ月の平均支出額は次の通りです。
| 世帯構成 | 1ヶ月の生活費 | 25年分の生活費 |
| 単身世帯 | 150,506円 | 45,151,800円 |
| 2人以上世帯 | 277,926円 | 83,377,800円 |
単身だったら大体4,500万円、2人以上世帯だったら大体8,300万円が、FIREに必要な資産額ということになります。
FIREは生活費25年分の資産を築き、早期リタイアすることです。そんなわけで、この数字は、あなたがFIREするための資産額を計算する上で参考になるはず。
ただし、この数字はFIREを目指している人、あるいは既にFIREした人ではなく、一般的な人の消費額です。FIRE志向の人なら、もう少し少ない金額でも生活できるかもしれません。
【超人】資産1,000万円でFIREできる人
| リタイア時の資産 | 1,000万円 |
| 年間生活費 | 40万円 |
| 1ヶ月の生活費 | 33,333円 |
| 節約レベル |
わずか1,000万円で完全リタイアしようという強者はなかなかいないと思います。1ヶ月の生活費は3万円強。1人分の社会保険料を払ったら、もうほとんど残りません。
こんな生活が通用するのは、家賃のかからない家を持っていて、かつほぼ自給自足生活をしている人でしょう。実際にいるとしたら、俗世を離れた孤高の存在。万が一にも達成できたなら、あなたは現代のブッダになれる素質があるかもしれません。
実家暮らしの人なら可能かもしれませんが、それはFIREしているというよりは、実家に寄生しているだけですね。ライフスタイルとしてはあり得ますが、この記事を読んでいるあなたが目指すリタイア像ではないはず。
資産1,000万円でFIREできるのはこんな人
- 自給自足生活で、住居にお金がかからない人
- 実家に寄生している人（FIREとは呼ばないが）
*現実には1,000万円でリタイアは難しい
【仙人】資産2,000万円でFIREできる人
| リタイア時の資産 | 2,000万円 |
| 年間生活費 | 80万円 |
| 1ヶ月の生活費 | 66,666円 |
| 節約レベル |
資産2,000万円のリタイアもかなり厳しい道のりです。社会保険料を支払ったら、残りは5万円程度しか使えません。単身世帯の平均生活費の約3分の1で過ごすことになります。
まともな家賃は払えないので、すでに家賃のかからない家が既にあるか、または1万円以下の激安賃貸物件になります。
極貧生活をすればできなくはないレベルなので、不可能とまでは言いませんが、普通の暮らしにはならないでしょう。当然ながら交際費が入り込む余地などないので、孤高の生き方をする人でなければ難しい生き方です。
もし資産2,000万円でリタイアできた人がいたとしたら、その人は仙人の称号を与えられるでしょう。
資産2,000万円でFIREできるのはこんな人
- 超極貧生活をしている単身者
【修行僧】資産3,000万円でFIREできる人
| リタイア時の資産 | 3,000万円 |
| 年間生活費 | 120万円 |
| 1ヶ月の生活費 | 100,000円 |
| 節約レベル |
資産3,000万円までくれば、FIREが現実味を帯びてきます。とはいえ、この資産額でFIREできる人は限られます。
単身世帯の平均支出額が15万円なので、住宅にお金をかけない生活ができるなら、地に足ついた生活はできそうです。ただし家族を養うには難しく、基本的には一生独身を覚悟した人が対象になります。
日本国の未来を考えると、単身世帯は望ましいものではありませんが、個人で見れば縛られない独身生活を選ぶ人がいても何らおかしくはありません。どうしても働くのが嫌で嫌でしょうがないなら、ひとつ資産3,000万円を目指してみてはいかがでしょうか。
ただし注意点として、急な病気や、遠くの実家に帰省するなど、ちょっとした出費をするだけでも生活が傾きます。この辺りに耐えられるメンタルがないと厳しいかもしれません。
資産3,000万円でFIREできるのはこんな人
- 一生独身で、かつ住宅にお金がかからない人
【節約マスター】資産5,000万円でFIREできる人
| リタイア時の資産 | 5,000万円 |
| 年間生活費 | 200万円 |
| 1ヶ月の生活費 | 166,666円 |
| 節約レベル |
資産5,000万円までくると、かなり景色が変わってきます。まだまだ質素な生活は強いられますが、現実的にFIREを実行できるのはこのレベルからでしょう。
まず単身者であれば、普通に暮らせるだけの生活費を資産収入から賄えます。フリーターと同じくらいの生活水準といえばわかりやすいでしょう。1ルームマンションの家賃5万円を払っても、生活が成り立つレベルです。
資産5,000万円でのリタイアは、基本的には独身者が対象なると思いますが、夫婦2人ならギリギリ生活できるレベルです。地方で生活費がかからず、子供は作らないと決めた家庭であれば、こういうライフスタイルもアリかもしれません。
資産5,000万円でFIREできるのはこんな人
- フリーターくらいの生活費の独身者
- 質素な生活を送る子なし夫婦
【普通の人】資産7,500万円でFIREできる人
| リタイア時の資産 | 7,500万円 |
| 年間生活費 | 280万円 |
| 1ヶ月の生活費 | 250,000円 |
| 節約レベル |
資産7,500万円を貯めるのはなかなか大変ですが、ここまでくると、一般的な暮らしをしている人がFIREに到達できるラインになります。
生活費に年間280万円使えるので、サラリーマンの年収350〜400万円程度に相当します。資産が7,500万円あれば、一切働かなくても、平均的な日本人家庭の生活ができるようになります。
夫婦2人と言わず、子供が1人か2人程度なら十分暮らせるレベルです。決して贅沢はできないものの、サラリーマンとしてあくせく働く必要はありません。精神的には十分豊かな暮らしができるでしょう。
家族持ちの人、あるいは将来家族を持ちたいと思っている人は、7,500万円を目標にしてみてはいかがでしょうか？
資産7,500万円でFIREできるのはこんな人
- 平均的な生活を送る家庭
- 子供は1人〜2人程度が現実的
【プチリッチ】資産1億円でFIREできる人
| リタイア時の資産 | 1億円 |
| 年間生活費 | 400万円 |
| 1ヶ月の生活費 | 333,333円 |
| 節約レベル |
本場アメリカのFIREでは、ミリオネア（資産100万ドル）が一つの目標基準になっています。大雑把に日本円で1億円くらいに相当します。
資産1億円まで到達できる人はそんじょそこらにはいませんが、ここまでくれば生活はかなり安泰。年間生活費は400万円使えるので、年収500〜600万円の家庭と同じレベルの生活ができます。
月の生活費は33万円以上で、日本人の2人以上世帯の平均である27.7万円を大きく超えています。週に1回家族で外食したり、年に2,3度旅行に行ったりするくらいの贅沢はできそうですね。
リタイア後も我慢をしたくない人は、資産1億円を目標にするのが良いでしょう。ただし、なかなか大変な道なので、妥協するのも良いと思います。
資産1億円でFIREできるのはこんな人
- 平均的な家庭よりも少し贅沢する人
サイドFIRE（セミリタイア）のススメ
資産別にFIREできる人の生活イメージを見てもらいましたが、随分と先が遠い話に感じられたのではないでしょうか？
質素な生活をしている人でも、5,000万円は必要です。現実的には7,500万円くらいでしょうか。
そんな人には、サイドFIRE（セミリタイア）を強く推奨します。サイドFIREは全ての生活費を資産収入から賄うのではなく、その半分は好きな仕事から得られた収入で賄います。
つまり完全なリタイアではなく、セミリタイアを選ぶことで、あなたがサラリーマンを卒業するのに必要な資産は半分まで減るのです。
| 1ヶ月の生活費 | FIREに必要な資産 | サイドFIREに必要な資産 |
| 33,333円 | 1,000万円 | 500万円 |
| 66,666円 | 2,000万円 | 2,000万円 |
| 100,000円 | 3,000万円 | 1,500万円 |
| 166,666円 | 5,000万円 | 2,500万円 |
| 250,000円 | 7,500万円 | 3,750万円 |
| 333,333円 | 1億円 | 5,000万円 |
セミリタイア後は、労働0になりませんが、サラリーマン時代と同じだけの稼ぎはもはや必要ありません。好きな仕事でのんびりと、生活に必要な分だけ稼げば良いのです。週2〜3日の労働でも十分賄えるでしょう。
サイドFIREの詳細は、「【10年で達成可能】経験者がサイドFIREを勧める7つの理由【現実路線セミリタイア】」で解説しています。
まとめ：まずは目標を定めよう
今回は【1,000万円・2,000万円・3,000万円・5,000万円・7,500万円・1億円】の資産で、それぞれFIREできる人の特徴を解説しました。
あなたはいくらの資産額を目標にしますか？
一生独身を選んだ人なら4,000〜5,000万円が現実的です。家族を持つなら最低でも6,000万円、できれば7,500万円が現実的なラインだと思います。
兎にも角にも目標を決めることは大切です。目標が決まらなければ、あなたはロクに行動できません。ガンダーラへ行き先を決めなかった西遊記の一行、海賊王になると宣言しなかった麦わら海賊団を想像してみてください。
でもほとんどの人にとってFIRE達成の数字は非常に険しいものになります。早い人なら10年程度で達成できますが、遅い人は30年かかるかもしれません。
もっと早くリタイアしたい人には「サイドFIRE」、いわゆるセミリタイアがオススメです。退職後も何かしらの仕事でちょっとした収入を得る必要はありますが、サラリーマンを卒業するために必要な資産は半分まで減ります。
ぜひあなたのライフスタイルにあった目標資産額を設定し、夢のリタイア目指してフルスロットルで頑張りましょう！
FIRE達成までの道のりは「【サイドFIRE経験者が語る】サラリーマンが0からFIREするための全ステップを解説」で詳しく説明しています。
実際にサイドFIREを達成したわたしが「こうすればもっと早くリタイアできたのに！」と思えるアクションプランを書いています。FIREを目指す人はぜひ参考にしてみてください！
