「少額投資なんて、意味ないからやめなよ」
そんな言葉を耳にしたことはありませんか?せっかく投資に興味を持ち始めても、そんな話を聞いてしまうと、急ブレーキがかかっちゃいますよね。
この記事では、
- 少額投資は意味ない派
- 少額投資は意味ある派
の意見をそれぞれ解説します。
結論を先に言うと、「少額投資のリターン」では人生は何ら変わりません。しかしながら、「少額投資をすること」で人生は変わります。
わたしは33歳で資産3,500万円を築いてセミリタイアした身ですが、「少額投資しなかったこと」を激しく後悔しています。過去に戻って自分の頭をぶん殴ってやりたいくらい。
投資に興味があるけど、あまりお金に余裕がなくて悩んでいる人は、ぜひ最後までチェックしてください。わたしが後悔した理由を聞いたら、少額投資を今すぐ始めようと思うはず!
代表的な少額投資とは?
「少額投資」に明確な定義はありませんが、月にだいたい数千円〜数万円程度を投資に回すことを指しています。
代表的なものに、
- 投資信託
- 株(単元未満の)
- つみたてNISA
があげられます。
投資信託
投資信託とは、あなたに代わって資産を運用してくれるファンドに対して資金を投じ、リターンを得る金融商品です。そう言うと仰々しく感じますが、実際には100円から投資できる手軽な投資です。
近年ではインデックス投資信託が人気で、投資信託から投資を始める人もたくさんいます。
株(単元未満の)
投資といえば株式ですが、株は通常100株単位で取引されています。1株あたりの金額は様々ですが、大体1,000円程度はするので、10万円程度ないと株式の購入はできません。
ところが、証券会社によっては、1株単位で株式が買えるところがあります。やや専門的な用語になりますが、このような通常取り扱いのない小単位の株式を「単元未満株」と呼びます。
単元未満株なら数千円から投資できるので、投資初心者に人気があります
つみたてNISA
投資利益には約20%の税金が発生します。この税金を払わなくて済むのが「NISA」です。(「NISA」は、上記の株や投資信託のような金融商品ではなく、制度の名前。本来は並べて論じるべきではないかもしれませんが、そこら辺はご容赦を)
NISAのなかで人気がある「つみたてNISA」は、「毎月33,333円(年間上限40万円)」を定額で積み立てていきます。実際にはNISAを利用して、投資信託を購入しているケースがほとんどです。
せっかく投資をするなら、まずは税金を払わなくて済む「NISA」から。ということで、投資初心者は、「NISA」から投資デビューするケースが多いでしょう。
「少額投資に意味がない」派の3つの理由
まずは「少額投資なんか意味ないよ」という人の意見を見ていきましょう。
「少額投資に意味ない派」の意見
- 少額投資では人生は変わらない
- 自己投資の方がリターンが高い
- 少額投資するくらいなら仕事に精を出すべき
理由①:少額投資では人生は変わらない
アンチ少額投資のもっとも大きな理由は、「少額投資で得られたちっぽけな利益じゃ、人生何にも変わらないよ?」です。
「つみたてNISA」で、「毎月33,333円」を20年積み立てた場合でシミュレーションしてみましょう。
大きな金額ではありますが、確かに人生が変わるほどではありませんね。サラリーマンをリタイアできるわけではありませんし、老後の蓄えとしても心許ないです。
そんなわけで、「少額投資は意味ない派」としては、
- せめて種銭1,000万円集めなければ意味がない
- 月収100万円超えてようやく投資をするか考えるべきだ
と主張しているのを耳にしたことがあります。
理由②:自己投資の方がリターンが高い
投資とは、「あるものに資本(お金や時間や労力)を投じ、投資対象の生産性が上がった見返りを得ること」を指します。
このように投資を本来の意味で捉えるなら、「自己投資」がもっともリターンが高いのは間違いないでしょう。
「投資の神様」と呼ばれ、世界でもっとも有名な投資家の1人であるウォーレンバフェット氏も「何にも勝る投資先は自分だ」と言っています。
勉強したり、スキルを身につけたりして、あなた自身の稼ぐ力を身につければ、年収が倍になることもあるでしょう。年間リターンは+200万円くらいはザラかもしれません。
理由③:少額投資するくらいなら仕事に精を出すべき
投資をすれば、株価を細かくチェックしたり、ニュースをチェックしたりと、何かしら日常の生活にも影響が出るでしょう。ただし、それは少額であろうが、まとまったお金であろうが、労力はさほど変わりません。
大きなを資金を投資に回している人は、投資のために費やす時間に見合うだけのリターンをあげられます。一方で、少額投資ではその労力に見合わないかもしれません。
それならば本業なりに精を出して、お給料を上げる方が賢明なのでは?という意見です。
「少額投資に意味がある」派の3つの反論
次に「少額投資に意味がある」派の反論を見ていきましょう。
「少額投資に意味ある派」の意見
- 金融リテラシーが向上する
- マインドが洗練される
- 将来の大きな投資への第一歩になる
理由①:金融リテラシーが向上する
投資をしたことが人なら、すべからく実感したと思います。それまで全く気にしていなかった「日経平均」や「ドル円為替」や「個別銘柄」の日々の変化に敏感になったはずです。
投資をしたことがない人は、今日経平均がいくらか知らないでしょう。いくらだったら安くて、いくらだったら高いのか、全くピンと来ないと思います。
この現象は、心理学で「カラーバス効果」と呼ばれています。人間は同じ景色を見ているようで、実は興味関心のある情報だけが脳に入ってくるようになっています。
例えば子供ができた人は、それまで全く興味がなかった、他の子供が乗っているベビーカーや、抱っこ紐に目がいくようになります。
街中で自分の好きなブランドを身につけている人がいたら、すぐに目に入ってきますよね。
投資を始めることで、「カラーバス効果」により、今まで知り得なかった新しい情報に目がいくようになるでしょう。
投資に目がいくようになれば、自然と「お金そのもの」に興味関心が移っていきます。お給料は減って、税や社会保険料は増えていく時代において、お金の知識は生きていく上での必須科目でしょう。
金額に関係なく、投資をすること自体が「自己投資」につながっていると言えそうです。
理由②:マインドが洗練される
投資をすれば、少ないながらも利益が出ます。もしあなたがサラリーマンであれば、初めて自分の力だけで稼いだお金になるかもしれません。
例えば10万円投資して、年間5%すなわち5,000円のリターンを得たとしましょう。たった5,000円でも、きっと気持ちに何かしらの変化があると思います。
といった具合ですね。
そうなれば、なるべく投資にお金を回したくなるでしょう。そうなれば、
- 無駄な出費を減らしたり
- 本業の収入を伸ばそうと頑張ったり
- 副業にチャレンジしてみたり
と、マインドが洗練され、人生が良い循環に入ることも珍しくありません。
理由③:将来の大きな投資への第一歩になる
投資を始めるとしても、最初からうまくできるとは限りません。むしろ最初は誰かの見様見真似で、よく理解もせずに投資をしてしまった人も多いのではないでしょうか?
何事も試行錯誤を繰り返して、だんだんと上達するものです。投資も同じです。
大きなお金が貯まるまで投資を我慢して、「満を辞してスタート!」と思いきや、手痛い勉強代を払うことになるかもしれません。
将来大きなお金を動すためにも、少額で経験を積み重ねた方が良い。失敗するなら少額の方がマシでしょ?という意見ですね。
わたしが少額投資せずに後悔したエピソード
ここまでは、少額投資の是非を「第三者目線」でお話ししてきました。ここからはわたし個人の意見を、過去のエピソードからお話ししていこうと思います。
1,000万円レベルの機会損失
わたしは33歳で3,500万円の資産を貯め、妻子持ちの身分でセミリタイアしました。こう聞くと、「さぞや上手く投資をしたんだろう」と思われるでしょうが、全く逆です。
わたしが投資を始めたのは2019年で、31歳のとき。その時点で2,500万円の現金を持っていました。このお金は単純にサラリーマンのお給料から貯まった貯金です。
2010年代はGAFAを中心としたハイテク株が爆上りしていた時代で、普通に投資をしていれば、プラス数百万円、あるいはプラス1,000万円になっていたはず。
ここで言う「普通の投資」とは、個別銘柄で一発当てるという意味ではなく、インデックス投資で市場の平均リターンを得るという意味です。
というわけで、わたしは投資のスタートが遅れて、数百万円〜1,000万円程度の機会損失を出しているのです。(思い出すたびに悲しい気持ちになります…)
なぜ投資を始めなかったのか?
実を言うと、投資を始める前の20代の頃から、投資に興味はありました。ですが、当時は仕事が忙しかったのもあり、面倒そうな投資の話にフタをしてきたのです。
では過去のわたしは、なぜそんなにお金があるのに投資を先送りにし続けたのか。
それは、単純に金融リテラシーが低かったから。「投資=売買で儲ける」という先入観があり、銘柄選びができる人しかできないと思っていました。
なぜなら当時のわたしは、
- 素人投資のリターンは、どの程度が相場なのか
- 複利がどれほど大きな効果をもたらすか
- 素人でもリスクを抑えてリターンを出せるインデックス投資の存在
すらも、まったく知りませんでした。
当時のわたしに最低限の金融リテラシーさえあれば、「今すぐ投資を始めないとヤバイ!」と気づけたはずです。
新卒でロクにお金がない頃でも、少額投資を始めていればチャンスを掴めていたのです。
ちなみにセミリタイア当時のわたしの状況は、「【資産公開】33歳サイドFIRE(セミリタイア)時の情報を一挙公開【年収・職業・家族構成・副業など】」で公開しています。もし興味があれば覗いてみて下さい。
まとめ:少額投資は意味あるよ!
というわけで、今回は「少額投資は意味があるのか?」について議論させていただきました。
「意味ない派」と「意味ある派」の意見はそれぞれ次の通り。
「少額投資に意味ない派」の意見
- 少額投資では人生は変わらない
- 自己投資の方がリターンが高い
- 少額投資するくらいなら仕事に精を出すべき
「少額投資に意味ある派」の意見
- 金融リテラシーが向上する
- マインドが洗練される
- 将来の大きな投資への第一歩になる
わたしは、少額投資は大いに意味があると考えています。
確かに「意味ない派」の人が言う通り、少額投資で儲けた金額では、人生は何ら変わりません。ですが、少額であろうが投資を始めること自体に価値があるのです。
投資に限りませんが、「知っている」と「やってみる」とでは、経験値は天と地ほど差が出ます。投資をしたことで、お金の知識がつき、生き方についても変化があるでしょう。
実際にわたしは、お金の知識がないばかりに、数百万円〜1,000万円レベルの機会損失を出しています。
チャンスをものにできるのは、準備をしてしてきた人だけです。将来もっと大きな投資のチャンスを掴めるよう、今は少しずつでも投資を始めていきましょう!
少額投資を始めるなら、やっぱり税金がかからない「NISA」からかなと思います。
「【とりあえずやっとけ】NISAとは?初心者にオススメの「つみたてNISA」と銘柄選びのポイントとは」で「NISA」を詳しく解説しています。ぜひ合わせてチェックしてみてください。