あなたの周りに、あなたの夢をバカにしたり、阻もうとしてくる人はいますか?
- 「転職?その年齢じゃやめておいた方がいいんじゃないの?」
- 「独立?止めとけ、止めとけ。お前には無理だよ」
- 「セミリタイア?もっと地に足ついた生き方した方がいいよ」
と。そう言ってあなたの夢を潰してくる人を「ドリームキラー」と呼びます。
こんなときに、自分の正しさを論理的に証明するのは効果的ではありません。相手を論破することになりますが、論破されて気持ちいい人はいません。相手は感情的になって、さらに反対してくるでしょう。
この記事では、近親者、特に絶対に無視できないパートナーに、あなたの決断を受け入れてもらうための方法を解説しています。
その方法は、ずばり「信頼」を得ることです。これが本質的な解決策です。極論あなたが信頼を得ているのであれば、どんなに難しい決断でも、相手はよろこんで受け入れてくれます。
これから大事な決断をすべく、説得したい相手がいる人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ドリームキラーには2種類ある
あなたの夢や目標に水を差してくるドリームキラーは、
- 「無意識的ドリームキラー」
- 「意識的ドリームキラー」
の2種類に分類されます。
無意識的ドリームキラー
無意識的ドリームキラーは、あなたを傷つけようとして攻撃してくるわけではありません。むしろ、あなたを本気で心配して、あなたのことを想って忠告しているのです。
あなたが、「独立したい」「転職したい」と言ったときに、「今のままでも十分じゃない?やめておいた方が良いと思うけど…?」と、心配するように、あなたの夢を潰そうとしてきます。
あなたをどうでも良いと想っている人はそんな忠告しないので、無意識的ドリームキラーは、家族や親しい友人など、身近な人がなりやすい傾向にあります。
無視できれば良いのですが、無視できないほど近い人であれば、なんとか説得しなければなりません。本記事は、基本的には無意識的ドリームキラーを説得する方法を取り上げています。
意識的ドリームキラー
意識的ドリームキラーは、挑戦するあなたを、意図して傷つけるために反対してきます。
あなたが、「独立したい」「転職したい」と言ったときに、「お前には無理だよ。現実見た方が良いよ?」と、あなたの能力を否定するような発言をします。
意識的ドリームキラーの裏にある心理は「嫉妬」です。あなたが幸せになって、自分が今のまま置いてけぼりになるのがイヤなのです。
心理学の「認知的不協和」によれば、人間は「自分の理想」と「目の前の現実」にギャップがある場合、そのギャップを埋める理由を作り出してしまうとあります。あなたが自分より優れた人間だと認めたくないので、あなたを「無能」にしないと辻褄が合わなくなるのです。
意識的ドリームキラーは、表面的な付き合いをしている同僚や、中途半端な仲の同級生などがなりやすいと考えられます。基本的には無視でOKな相手なので、この記事では軽く取り上げる程度に留めます。
【シカトでOK】ドリームキラーの基本的な対処法
巷で言われている基本的なドリームキラーへの対処法を紹介します。
自分の夢や目標を言わない
自分の夢を語ったところで、あの手この手で自分を批判してくるのがわかっているなら、最初から言わなければ良いのです。
あなたの夢は、あなたの心のうちに留めておけば良いのです。
受け流す→無視する
ポロっと夢を語ったところ、思わぬ反撃を受けることもあるでしょう。あなたを妬んでいるのかもしれませんし、あなたを本気で心配してくれているのかもしれません。
ですが、あなたの心が決まっているのであれば、なんと言われようと関係ありません。「そうだね!」と言って、受け流せば良いのです。無視して挑戦すれば良いだけです。
家族がドリームキラーになったらどうする?
ドリームキラーの対処法は、その人を自分の夢に近づけさせないことです。意図的に夢を隠したり、何か言われてものらりくらりと受け流す。友人や同僚は、この方法で切り抜ければOKです。
ですがもっとも身近にいる家族はどうでしょうか?
【ケースバイケース】自分の親がドリームキラーになったら?
あなたが未成年で親の保護観察下にあるなら、親は避けては通れないかもしれません。
もし親がドリームキラーになってしまった場合は、説得するか、決別するかの2択に迫られます。
ですが、あなたがすでに独立しているのならば、親がドリームキラーになったとしても、友人や同僚と同じように対処すれば良いのです。すでにあなたが自分の収入で、自立して生きているのであれば、親があなたの生き方に口出しすべきではありません。
わたしは33歳で、10年勤めた会社を辞めてセミリタイアの道を選びました。そのときに、自分の両親からはかなり心配されました。
両親の世代からすると、会社員を辞めて生きていけるのは、小説家やミュージシャン、起業家のような特別な才能を持っている人だけ。我が子が特別な才能などないとわかっていたし、妻子を抱えている身。危ない橋を渡ろうとするのを止めようとしたわけですね。
ですがわたしは、自分が選んだセミリタイアは用意周到に計画されたものであり、リスクを計算した上で問題ないと、まずは正論で返しました。その上で、「これは相談じゃなくて、報告だよ。もう決めたことだから」と言ったところで、議論は終了しました。
【不可避】配偶者(パートナー)がドリームキラーになったら
絶対に避けられないのが、奥さん・旦那さんがドリームキラーになってしまった場合です。結婚はしていなくても事実上のパートナーがいるならば、同じ話になります。
「パートナー」という言葉の通り、あなたの家庭を会社に見立てるなら、パートナーは共同経営者。パートナーを無視した勝手な行動はできません。もし意見が異なってしまった場合は、説得するか、決別するかを選ばなくてはならないのです。
とは言え「決別」は切れないカードになるので、基本的には説得することになります。
わたしがセミリタイアを決断したときに、奥さんを説得したわけですが、驚くほどスムーズに終わりました。むしろ、わたしがセミリタイアすることを積極的に応援する側に回ってくれました。
【本質論】あなたへの「信頼」が説得の最大の武器
さて、相手を説得するためにもっとも必要なものはなんだと思いますか?
論理的に正しいことを説明することでしょうか?もちろんそれは必要ですが、本質ではありません。あなたが論理的に話すほど、パートナーは反感を持って感情的に否定するかもしれません。
あなたに本当に必要なのは「信頼」です。極端な話、あなたがパートナーから「信頼」を得ているのであれば、どんな難しい決断であっても説得できます。
例えば、見知らぬ汚らしいおっさんが、カビの生えたチーズを「これ旨いから食ってみろ!」と手渡されたらどうしますか?わたしならそのままゴミ箱にポイです。
ですが、相手がミシュラン3つ星レストランの料理長だったらどうでしょう?全く話が変わってきますね。
両者の違いは「信頼の有無」です。信頼があれば、あなたはカビの生えた食べ物でも喜んで口に入れるのです。
「信頼口座」を貯めよ
世界で3,000万部を超える超大ベストセラーの自己啓発本『7つの習慣』に、「信頼口座」という考え方が登場します。
信頼はあたかも銀行口座のように出し入れができ、相手にとって良いことをすれば残高が増え、好ましくないことをすれば残高は減っていきます。信頼は一過性の結果ではなく、日頃の積み重ねなのです。
残高が高い状態であれば、相手はあなたを信頼してくれている状態であるということ。逆に残高が減っている状態では、あなたは信頼されていないということです。
またわたしの家庭の例え話をしましょう。
わたしは以前、スニーカーを集めるのが趣味でした。世間のスニーカーマニアは、家庭では肩身の狭い思いをします。
奥さんから「こんなに買っても履けないでしょ!」「ジャマだからもう絶対に買わないで!」と、非難轟々。貸し倉庫にこっそり隠す人もいるくらい。
ですが、我が家の反応は全く異なります。わたしが買ったスニーカーを奥さんに見せると、奥さんは「かっこいいね!」「買えてよかったね!」と言ってくれます。
わたしの奥さんが特別に寛容だからだと思うかもしれませんが、そうではありません。むしろかなり短気でよくイライラしています。奥さん自身も「自分は短気」と認めています。
わたしが怒られないのは、「信頼口座」が十分に貯まっている、というただそれだけの話。
もう一つ例を出します。想像してみてください。
毎日深夜まで飲み歩いている人が、
って言ったら、
とブチ切れるでしょう。実際にわたしの友人が、離婚騒ぎにまで発展したのを目の当たりにしています。
一方で、普段はまっすぐ家に帰って、家族との時間を大切にしている人が、同じように、
と言ったら、
と言ってくれるわけです。
中身は同じでも、両者では「信頼口座」の残高が天と地ほど違うのです。
特大の要求を通すための「信頼口座」の貯め方3選
本記事のテーマは、
- 転職する
- 独立する
- セミリタイアする
- スキルアップの勉強のために家族の時間を犠牲にする
といった家庭に大きなインパクトを与える要求を、如何にして相手に呑ませるかです。
「呑ませる」と言うと、ちょっと言い方が悪いですね。どのように相手に喜んで協力させるか、といった方が正確です。
そのためには「信頼口座」をストップ高まで上げておくに限ります。「信頼口座」を積み立てる方法を3つ紹介します。
①相手の感情を第一に考える
信頼口座は、相手にとって好ましいことをすれば残高が増え、好ましくないことをすれば残高は減っていきます。
ここでいう「好ましい」とは、論理的な好ましさよりも、感情的な好ましさが優先されます。
相手が嫌がることを避ける
まず持って相手が感情的に嫌がることは、極力避けなければなりません。バケツに水を汲む前に、まずはバケツの底に開いた穴をふさがなければならないのです。
例えば、わたしは飲み会にいくとしても、基本的にオールはしません。最悪でも終電で帰ります。友人からは、「終電で帰っても、始発で帰っても同じじゃない?どうせ奥さん寝てるんだから」と言われます。
確かに論理的にはその通りですね。ですが感情的にはどうでしょうか?
問題は相手がどう思うかです。相手の感情を損なう行動や言動を続ければ、信頼口座からどんどん信頼が引き出され、あっという間に残高0まで下がってしまいます。
相手を否定しない
相手を否定するのもよくないですね。
あなたが奥さん(旦那さん)に「休みの日だからってゴロゴロしないでよ!」と、小言を言われたときを想像してください。続けて「ヒマなら買い物行ってきてよ」と言われたらどう感じるでしょう?
余計なことを言わずに、「ちょっとお買い物お願いしても良い?」と言ってくれたら、無用な衝突は避けられると思いませんか?
喜ばれることをする
感情にプラスになる行動はやっておいた方が良いでしょう。
ベタに家事を手伝ったり、子供の面倒をみたりするのもそうですが、論理的には意味がなくても、感情にプラスになりそうなことはやった方が良いです。
例えば、パートナーが病院に行くとき、あなたが一緒に行ったところで特になんの役にも立たないことが多いです。でも一緒にいてくれれば安心します。重い病気の人や初産の妊婦さんは特にそうでしょう。
②相手の「譲れないもの」を尊重する
実のところ相手の「価値観」によって、同じ行動をしても信頼口座が増えることも減ることもあります。
あなたが、脂っぽいジャンクフードが大好きだったとしましょう。相手も同じような食の好みであれば、お昼ご飯にファーストフードを提案したら、信頼口座は少し増えるかもしれません。
ですが、相手がヘルシー志向の人ならば、ファーストフードへ連れて行く度に、信頼口座から残高が減っていきます。
食の好みならわかりやすいのですが、「価値観」と言われると急に難しく感じますね。価値観とは言い換えるならば「優先順位」。その人の価値観とは、「その人にとって譲れない、優先順位の高いもの」という意味です。
奥さんが、旦那さんが大切にしていた鉄道模型を勝手に捨ててしまったところ、家族なのに訴えられた、みたいな話を聞いたことありませんか?信頼口座が一撃でストップ安になった結果ですね。最悪2度と元に戻らない決定打になりかねません。
他人の譲れないものを土足で踏みにじることが、どれほど罪深いことか。相手の譲れないものを見極め、最大限に尊重しましょう。
パートナーは価値観で選ぶべし
余談ですが、あなたがまだ結婚していないのであれば、価値観が同じパートナーを選ぶべきです。
離婚理由の第一にあがるのが、この「価値観の相違」。言い換えれば、お互いの「譲れないもの」が反発し合っているから、決裂するしかなかったということです。
価値観が同じであれば、あなたが自然体でやりたいことをやっても、信頼口座は下がりません。逆に価値観が合わない人を選べば、好きなことをするたびに、相手の機嫌を損ねることになるのです。
③あなたの「譲れないもの」以外は譲ってしまう
相手にも譲れないものがあるように、あなたにも譲れないものがあるはずです。この記事のテーマに沿えば、「転職する、独立する、セミリタイアする」などが、あなたの譲れない最優先事項です。
あなたは、この「譲れないもの」を絶対に通さなければならなりません。家庭へのインパクトの大きい事柄を通すには、常に信頼口座を最高水準にしておくべきです。
そのためには、あなたの「譲れないもの」以外は、あっさり相手に譲ってしまえば良いのです。
例えばトイレで用を足すのに、「立ってするか」「座ってするか」という議論があります。あなたは「立ってしたい派」かもしれませんが、世の奥さんはすべからく座って欲しいと思っています。
この程度のことはあっさりと譲ってしまえば良いのです。こんなところで信頼口座を引き出されていては、いつまで経ってもあなたの要求は通りません。
このように、あなたが何を譲って、何を譲らないかを決めるには、あなた自身の中で物事の優先順位を付けなければなりません。「酒も大事、タバコも大事、ゴルフも大事、洋服も大事、漫画も大事、ゲームも大事」ではダメなのです。
まとめ:「信頼口座」を貯めよ!
友達や同僚のような人がドリームキラーになる分には無視できますが、家族、特にパートナーは絶対に無視できません。善意であなたの夢を潰そうとしてきます。
あなたが論理的に説明したところで、相手は納得してくれないでしょう。そればかりか、反発して、もっと頑なに反対してくるかもしれません。
もしあなたのパートナーが、あなたの決断に協力してくれそうにないなら、「信頼口座」を最大限まで貯めましょう。信頼は一過性ではないので、時間をかけて積み上げていく必要があります。日々のちょっとした気遣いが大切なのです。
その過程であなたは、かなりの我慢を強いられるかもしれません。それでも、あなたにとって最も大事な決断を通すためなら我慢できるはず…!
あなたの夢が叶うよう、応援しています!